邂逅






 「ここはどこだ?」
加山は思わず大声を出していた。
「だから、おめえが言ってた住所だぁよ。」
GHQから借り出したジープの運転席で、ジープに「付いてきた」、アイダホだかテキサスだか知らないが、とにかく田舎の訛り丸出しの一等兵が答えた。
「・・・・ここが?」
助手席に立ち上がって加山はあたりを見回した。
「ほんだよ。トーキョー、スギナミ・・・」
運転の一等兵は加山の渡した住所のメモを大声で読み上げてみせた。
「ここが・・・」
加山はあんぐりと口をあけたまま、ジープを降り、少し歩いた。
 一面の焼け跡の上に、ごちゃごちゃとバラックが建っている。遠くにコンクリートの建物がいくつか焼け残っているが、それも外壁ばかりだ。省線の線路沿いの道に屋台のような店が並び、人びとが忙しそうに行き来しているのが見えた。アメリカを出る前に、マリアが話してくれた風景とはまるで違う。たしか家々が生垣を巡らせた閑静な住宅街で・・・・
「わが軍の空襲の威力って奴よ。」
運転席に座ったまま、一等兵はおかしそうに加山の後姿へ話し掛けた。
「・・・・まったくだ・・・」
そう答えて、しばらくもう一度あたりを見回してから、加山は踵を返した。運転手に、
「仕方が無いや。帰るとする、いてっ!」
言いかけた加山の頭に何かがぶつかった。とっさに振り返ると、なんだか真っ黒な、小柄な少年が立っていた。あちこち破れてサイズの合わない服も、服から出た腕も、裸足の足も、そして勿論顔も、これ以上ないというくらい垢で汚れていた。
「なんだ、おまえ」
少年に向き直った加山は、両手を腰にあてて仁王立ちになった。
「ははん、戦災孤児って奴だな?」
そう言って見下ろす態度を取ったのに対して、
「やっぱりおまえ、日本人だな。」
と、垢まみれの少年は異なことを言った。
「あ?」
「石ぶつけたら『いてっ』って言いやがった。アメリカ兵のカッコして、本当は日本人だろう。」
少年の目は敵意に燃えていた。右手には、次の石を握り締めている。
「だったらどうしたい、ぼうや?」
加山は軽くあしらうように言った。
「裏切り者とでも言うかね?」
「裏切り者?」
少年の答えは尻上がりの口調だった。
「そんな上等なモンかい。てめえみたいのは、人間のクズってんだ。はずかしくねえのか!」
言いながら、石を投げようとする。
「おいおい、ちょっと待った、ぼうや。」
加山は呆れて手を振った。
「どうするねぇ?加勢するだか?」
背後の運転席から、日本語のやり取りだから内容はわからないものの、ともかくトラブルに・・・・トラブルというほどのものでもないが・・・遭遇していることだけは分る一等兵が、のんびりと声をかけた。
「いや、結構。何が加勢だ。」
前半を英語で一等兵に、後半を日本語でひとりごちながら、加山は少年に続けた。
「いいかい、ぼうや。人間、何処の国で生まれるかなんてのは、偶然だろ?たまたまだよ。たまたま生まれたその国に、なんで命まで預けなきゃなんないんだ?生まれる所は自分じゃ選べないが、どこに住んでだれに付くかなんてのは、自分の好きにするべきじゃないか?日本で生まれたから日本のために働かなきゃならないなんて、おかしいよ。そうだろ?」
「うるせえ、このインチキ野郎!」
少年はとうとう石を投げつけた。加山はあわてて飛んで避けた。
「おいぼうや、やめろっての。だいたい、ぼうやがいくらリキんでみたってさあ、戦争負けちゃったじゃないか。もうとっくにケリはついてるんだぜ。」
次から次へと少年が投げつける小石を避けながら、加山は言った。後ろのジープで、一等兵が腹を抱えて笑っていた。
「うめえもんだな、あんだ。トシの割に身が軽いわぁ。」
「ちくしょう、この裏切り者、おまえらみたいのが、どこを空襲したらいいかアメ公に教えてたんだろう!」
少年がそう喚くのを聞いて、加山は少し胸が痛んだ。確かにそういう一面も無いではなかった。
「おまえらみたいな奴等のせいで、お袋も死んじまったんだ!」
嫌なセリフを聞いたと加山は思った。思ったが、しかしどうしようもない。
「分ったよ、悪かったよ、退却するよ。」
加山はそう言うと、ジープへ駆け戻った。振り返ると、少年はまだ石を握り、こちらを睨んでいる。
「・・・まったく、いったい何個石を持ち歩いてんだ、あいつ。」
愚痴りながらふと思いつき、加山は少年に声をかけてみた。
「おいぼうや、ぼうやこの辺に住んでのかい?だったら聞きたいんだけど・・・」
「ぼうやぼうやって、俺はぼうやじゃねえや!」
また石が飛んでくる。石は危うくフロントグラスを外れて、その縁で跳ね返った。
「分ったよ。じゃ、御尊名を承りましょうかね。」
すっかり呆れた調子で、加山は尋ねた。
「おぼっちゃま、失礼ですが、あなた様のお名前は?」
「オオガミ!オオガミ イッコウってんだ!よく覚えとけ!」
加山は棒を呑んだように立ち尽くした。
「・・・・・なんだって?」

 翌日、加山は民情調査だといって、今度は日本人と同様のみずぼらしい国民服を着、ぼろぼろのリュックを背負い、国民帽をかぶって日比谷の事務所を出た。むろん、足は昨日の場所に向かっていた。
 省線の駅を下りて少しあたりをぼんやりと眺めていると、いきなり尻のあたりを突き飛ばされて、加山は前へつんのめった。後ろからげたげたと下卑た笑いがした。振り向くと、昨日の少年・・・大神一航が笑いながら立っていた。
「なんだよ、おっさん。その格好は?最初わかんなかったぜ。」
「・・・やあ・・・」
加山は帽子を取った。笑いかけたものかどうか迷った。
「でも変な大人がいると思ったんだ。」
一航は真っ黒な右手で鼻の穴をほじりながら言った。
「薄汚れた格好してるけどよ、妙に体つきがいいんだもの。そんな日本人、今時いねえよ。よく見たら、おっさんだもんな。」
一航はそう言い、加山の横に立って顔を見上げた。
「で?今日はなんだよ。昨日も『聞きたいことがある』とか言って何も聞かずに帰っちまうしさ。」
「お前・・・一航は、さ。」
「うん?」
フケだらけの髪の毛をかき回しながら一航は返事をした。
「腹・・・減ってないか?」
言いながら加山は、右手に下げなおしたリュックを開いて、中から食パンを取り出しかけた。
「おい!おいおい!」
一航があわてて静止した。
「冗談じゃねえ、こんなところでそんなもん出すなよ!誰かが見てたらどうすんだよ。タカられて俺の喰う分なんかなくなっちまうじゃねえか!」
そう押し殺した声で言ったあと、一航は辺りを見回し、それから
「ついてきなよ、おっさん」
と言って、先に立って歩き出した。
 元は何があったのか、一面の広い荒地の真中で、一航は加山から一斤の食パンを受け取ると、凄まじい勢いでかぶりつき始めた。
「ここ、なんだい?」
周りを見張って、猫でもガキでも近づいたら教えろと一航に言われた加山が、辺りを見回しながら言った。
「工場があったのさ。空襲までな」
口に食パンをほうばったまま一航は答えた。
「こんだけ広けりゃ、誰か近づきゃすぐわかるってもんだろ?」
「たいへんなんだな、浮浪児も。」
加山は声を落として言った。
「そうさ。たいへんなんだぜえ。ナワバリとか、ワケマエとか、さ。喰って行くだけでひと騒動なんだからよ。」
後はもう、食べ終わるまで、一航は一言も発しなかった。ただ、うう、とかぐうとか、物を食べる時の唸り声だけを上げていた。
「ああ、喰った喰った。・・・たまにはパンもいいなあ。」
地面にべったりと座り、げっぷをしながら一航は言った。
「おっさん。あんた、案外いい人なんだな。見直したぜ。」
加山は苦笑し、それから尋ねた。
「おまえ・・・かあさん、死んだのか。」
「ああ。」
一航はやけにあっさりとした口調で答え、アゴをしゃくってみせた。
「空襲ん時、一緒に逃げててさ。ちょうどあの辺ではぐれて、それっきりさ。」
「じゃ、ホントに死んだかどうか分らないんだ。」
「死んださあ。」
あっけらかんと一航は言った。
「だって、戦争終わってもう1年以上だぜ。もう秋だってのに、生きてたらとっくに帰ってるさぁ。」
「・・・そうだな。」
暗澹とした気持ちでそう答え、タバコをくわえた加山に、一航は手を出してみせた。
「あん?」
「くれよ。俺にも1本。」
「・・・・お前、いくつだ?」
「歳かい?12さ。それがどうかしたか?」
「いや・・」
渡したタバコをくわえ、火を貰って煙を呑む形は、すっかりサマになっていた。
 大神・・・
加山は柄にも無く、心の中で呼びかけた。
 ・・・馬鹿な奴だ、お前は。あの時俺と一緒に日本なんて見切りをつけて、アメリカでもどこでも逃げれば良かったんだ。お前が命を投げ出して尽くした結果が、このザマなんだぞ、大神・・・
「おっさんさあ、」
と、満足げに煙を鼻から吐き出しながら一航が言った。
「いったい何者?占領軍の手先ってことは分ったよ。」
「ああ。・・・」
加山は少し考えてから、答えた。
「俺は確かに日本人だけど、ちょっと前の軍隊が威張ってる日本が嫌になって、アメリカに高飛びしたのさ。軍国主義者をやっつけてやろうと思って、ちょっとアメリカ軍に手を貸した。で、今は占領軍総司令部で働いてる。いろいろ日本のことを調べるためにな。」
なかなか気の利いた大義名分だと、我ながら思った。
「ふうん。」
一航は言った。
「そうだよな。ショクギョウグンジンのおかげで、俺たちひどい目に合わされたんだもんな。俺のオヤジもショクギョウグンジンだったからよぅ、・・・ま、おっ死んでくれたおかげで、センパンの子とか言われねえで助かったけど。」
「ショクギョウグンジンって・・・ああ、職業軍人か。」
それはGHQが新しく広めた言葉だった。正しくは、「プロフェショナル・ソルジャー」だが、それを職業軍人という新しい言葉に仕立てたのは日本人自身だった。そうすることで、同じ「軍人」でも「無理やり戦争に取られた者」と、「戦争を始めた者」が区別でき、職業軍人でない者は戦争被害者になることが出来るのだった。
「おやじさん、軍人だったのか。」
「ああ。海軍さ。どっかの島の参謀だったらしいけど、玉砕しちまったってさ。皆、名誉の戦死だ名誉の戦死だって騒いだけど、」
一航は、へっと鼻で笑った。
「今になっちゃ、センパンだから自業自得だ、いい気味だとかぬかしやがる。・・・もっとも、俺もそう思うけどな。」
 戦犯か。
加山は思った。自分の海軍士官学校の同期が何人か、戦犯に指定されているのを知っている。マリアは今、ドイツでの戦犯調査を仕事にしている。レニの話をする時の彼女の顔を、加山はぼんやりと思い出した。
「それで?そのおっさんが、聞きたいことってなんだったのさ。」
一航が加山の顔を仰いだ。
「あ・・・いや・・・その、まあいいんだ、あれから用は足りたから・・・」
歯切れ悪く答える自分が、少しもいつもの自分らしくない事に、加山は自分で苛立った。



 それから何日かおきに、加山は食べ物を持って一航のところへ出かけた。一航はいつも不潔で、下卑ていて、抜け目がなかった。グループ同士の喧嘩があったとかで、顔を腫らしていることもあった。
「一航はさ、学校は?」
「がっこう?」
一航は尻上がりの口調で嘲笑した。
「今さら学校行って、何すんのさ。メシの喰い方でも教えてくれんの?」


 ある夜、宿舎で加山は夢を見た。
「さあ、一航。」
と、夢の中で加山は言っていた。
「もう何も心配ない。俺のところへおいで。今日から俺が親代わりだ。俺とアメリカで、幸せに暮らそう。それがお前のお父さんとお母さんの望みでもあるんだよ。」
そういう自分の声は、気味悪いほど猫なで声なのだった。すると一航は顔中をくしゃくしゃにして、
「おじさん!僕、嬉しいよ!」
と泣きながら抱きついてくるのだ。
 ベットの上に跳ね起きて、加山は暗闇に目を剥いた。全身から冷や汗が吹き出していた。
 冗談じゃない。冗談じゃないぞ、なんで俺が・・・
ぜいぜいと肩で息をしながら、加山はつぶやいていた。



「秋は気持ちがいいな。」
と、例の荒地に座りながら、一航が言った。11月に入ったばかりの、よく乾いた気持ちの良い風が快晴の空を吹き渡っていた。
「特に腹がいっぱいの時はいいや。」
「でも、すぐ冬が来る。」
加山が言うと、一航はにやりと笑ってみせた。
「なあに、平気さぁ。もう、一度超えたこと、あんだぜ。」
「・・・強がり言いやがって。」
タバコの煙を吐きながらそう言ったとき、不意に加山の心の中で、あの夢のセリフが蘇った。
 胸がどきりとした。

 やはりタバコをくゆらせながら、あたりの風景を眺めている一航の垢まみれの後頭部を見ている内に、加山の胸の鼓動はどんどん早くなっていった。
・・・・そうするべきじゃないのか、俺は。
加山は自問していた。
・・・これまで好き勝手に生きてきた。クニも、友人も、捨てるのに何の躊躇もなかった。だが、しかし・・
一航の服の肩は破れていて、裏から下手糞に継ぎが当ててあり、その継ぎがまた破れていた。
・・・・しかしこいつは、俺がなんとかするべきじゃないのか。大神とさくらの子供なんだぞ。
一航が、口のタバコを生意気な手つきでつまむのが後ろから見えた。
・・・・アメリカに連れて帰って、まともな生活をさせる。アメリカにはマリアだっている。
いったい何日風呂に入っていないのか、鼻を突く異臭は始めて出会った時から変わらない。夢の中で見た、一航の泣き顔が一瞬見えた。
「あの、一航・・・」
加山が呼びかけようとしたその時、一航が振り向いて言った。
「あのさあ、俺、おっさんに言うことがあるんだ。」
「あ?ああ・・・」
虚をつかれて、加山は上ずった声で答えた。
「俺、もうここを出て行こうと思うんだ。」
「・・・・なんだって・・・?」
「俺が生まれて育ったところだし、お袋が死んだところだしさ。それこそ、ひょっこりお袋が帰ってくるかも知れねえと思って、ずっとここに居たけど・・・もういいや、と思ってさ。」
「な、なんで・・・どこへ行くんだ?」
自分がこんなに慌てた声を出すんだと、加山は自分で初めて知った。
「そうだなあ・・・東京ももっとまん中か、それとも別のどこかかなあ。」
「だっておまえ、やっとここのナワバリにも慣れたんだろ?仲間も出来たんだろ?」
「それが嫌なのさぁ」
けっけっけ、と笑いながら一航は言った。
「こーんな所にいたら、俺ぁ一生コジキの真似して暮らしてかなきゃなんねえ。と言って、いまさら学校でぴ−ちくぱーちく、誰かが考えた正解とかを紙切れに書き付けて暮らすのもご免だ。」
一航は立ち上がり、自分が吸っているタバコをしげしげと眺めながら続けた。
「俺は、俺のやりたいようにやってみてえんだ。で、もっとマトモに暮らせるようになりてえ。それには、ここにしがみついてちゃ駄目だと、前前から思ってたんだ。」
「じゃ、じゃあ・・・」
とうとう加山は言った。痰が喉にからんで、ひどい声になっていた。
「俺・・・俺の所に来ないか。俺のところで一緒に暮らさないか。」

 少しの間、一航はあっけにとられて加山を見ていた。それから、口にくわえていたタバコを指でつまみ、弾き飛ばそうとして考え直し、足元に落としてボロボロの軍隊靴で踏んで消した。
「冗談だろ、おっさん。」
「いや!・・・いや、本気だ。俺は本気だ。」
突然。
あーっはっはっは、と、一航は大声で楽しそうに笑った。
「おっさん、あんまり人を甘く見るもんじゃないよ。」
「え?・・・・」
「おっさん、確かに俺は随分情けねえありさまだろうよ。」
一航は笑いながら言った。
「だがなあ、俺は生きていくために誰かと生き方を合わせるのは、まだまだ嫌だ。」
それが12歳の子供の口から出ているセリフだということが、加山には信じられなかった。
「俺は戦争で何もかんも無くしたけど、つまりそれは、これから何でも手に入るってことだ。戦争が終わってこっち、俺がわかったのはそういうことさ。わからせられたんだ、ろうけどさ。」
加山はぽかんと口をあけて一航の顔を見ていた。
「だいたい、前におっさんもそう言ったじゃねえか。何処で生まれるかはたまたまだけど、どこで生きてくかは自分の勝手だって。」
「あ・・・ああ・・・」
「そう言われてさ、俺、ずっと考えてたんだ。それにさ、」
一航はまっすぐに立ち、加山の顔を見返しながら続けた。
「親父が言ってたんだ、戦地に行く前の日に。俺はこれまで、俺の思うように生きてきた。お前はどう思うか知らないが、これが俺の思うような生き方だったんだ。お前もそう生きろってさ。」
・・・・大神・・・
と、加山は思った。お前、自分の子供にまで、堅苦しい訓示を垂れてたんだな。だが、今はその堅苦しさに感謝したいくらいだ。
「ショクギョウグンジンでセンパンの親父だけど、親父は親父さ。お袋の好きだった親父さ。俺、親父に威張れるように生きてみたい。俺、それができるかどうか、試してみたいんだ。それで、俺、それができるんじゃないかって思うんだ。まずそう思えって、親父も言ってたしな。」
一航は右手を差し出した。それが握手なのだと加山が気付くのに、少し時間が掛かった。垢まみれの手を握ると、一航はシミだらけの歯を剥き出しにして笑った。
「あんた、加山さんだろ。親父に聞いたことがある。」
もう加山には、言うべきことは何もなかった。
目の前に、士官学校の頃の大神が立っているような気がした。
「まあ、見てなよ。今はこんなザマだけど、次に会うときは見違えるぜ、加山のおっさん。」
そういうと一航は握手の手を上下に振り、また笑った。
「じゃあな。・・・いろいろ、感謝してるぜ、加山さん。」
一航はくるりと背を向け、歩き始めた。数歩歩いて立ち止まり、振り返って言った。
「それからなあ、加山さん。心にも無い事は言うもんじゃないぜ。さっきのあんた、目がこんなに飛び出てたぜ。」
それだけ言うと、からからと笑いながら一航は歩み去って行った。
 加山には、まるで小さな太陽が路上を去っていくように見えた。

 










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