行ってきました『のこぎりで聴くサクラ大戦』。諸事情で、ぎりぎりまで行けるかどうかわからなかったのですが、結果的に行けてよかったです!場所は荻窪の「アルカフェ」という小さなお店。ステージのすぐ前のテーブルに陣取ります。20人ほどのキャパで客数は13人くらいだったかな。毎度うろおぼえメモなので、ミスがあったらお許し下さい。

7時半にのこぎリスト稲山訓央さん登場。

稲:「高いところから失礼します。のこぎり演奏家の稲山訓央です。なんでこの企画をしたかというと、歌謡ショウも終わり、ホームページにも新しい情報載ってない、コミックス出たけど情報遅いぞ(客席から「言っちゃったよ(笑)」の声)。サクラ好きな者としては、なんとか盛り上げたい。それを自分の仕事でやろうとすると、こういう催し物しかない。でも、のこぎり演奏というのも特殊なもので、皆さん、お怒りなものもあるかもしれないです。アニメ化すると絵が気に入らないとか(笑)、イメージが違うとか、それと同じで、あの人と歌い回しが違うわとか。公平先生の作り上げた世界をいかに表現するかということを考えて、カラオケの音源を使います」
ここでスタッフ兼マネージャーの宮川さんという女性の方が、すっごいゴスロリドレスで登場。
稲:「のこぎり初めて、の方(ほとんどが挙手)。じゃそういう雰囲気で。興行で説明すると、マネージャーさんから、聞き飽きた、しつこい、と言われるけど(笑)、初めての方にはしつこくないので、そういうモードで。まずは一曲聴いていただいてから」と一曲目『さくら』。初めて聴いたのこぎり演奏は、ふよ〜んとした柔らかい音で、胡弓のもっとふわふわしたかんじ?繊細で叙情的です。弓の微妙な擦過音も混じります。音の高低は左手で調整する角度で、ビブラートは右膝で。カラオケに合わせて歌うように奏でます。
稲:「のこぎりです。鉄板です。なんで音が鳴んねんと聞かれると困るんですが、やってたら鳴るようになったんです(笑)。曲げ具合で、ソはここやドはここやと苛酷な弾き方をしてるんですけど、ゆるい曲をしましたから、折角だから気合い入れた曲を」と2曲目は『チャンバラブギ』。間奏で、マネージャーさんと「苛酷ですね」と笑い合います。
宮:「働いた感じですね」
稲:「タララタラタラ…♪(ケンカ纏のチャンバラリン、のあたり)歌詞で聞いてると(音程が)動いてるようですけど、実は動いていない、表現する人のすごさということで。田中真弓さんと言えばすごい話が。大阪の藤井寺で興行して、月1〜2回パーティーするだけで駅前に部屋を借りて、お食事が出て地元の名士が集まってる中に呼ばれて行って、芸術家を呼んで音楽を楽しもうという催し物で。このチラシを配ったら、これ真弓ちゃんのだわ!とざわざわと。田中さんあの辺で育ったのかな?主催者の人が育てたのかな?真弓ちゃんと知り合い?って聞かれて、いえとんでもない!サクラ大戦って真弓ちゃんが出てるアレだよ、って、関係者で真弓“ちゃん”づけで呼べる人なんかどれだけいるか。声優界でだって。そんなイベントに呼ばれたんです」
ここでのこぎりの話。
稲:「日本ののこぎりは真っ直ぐで等幅、これは幅が違って片刃です。日本ののこぎりでは音程が変わらない。太いとこ細いとこがあって音程が変わる。日本と韓国はあの形。それ以外はアジアでもこの形。なかなかこういう形のは日本で売ってない。奇特な方がいるもので、習いたいって方が現れて。路上で弾いてたら、大学生くらいの若いにいちゃんがずっと立ってて、あのーって。刺されるんかな、こっちは刃物持ってるで(笑)、のこぎり習いたいんですけどって。じゃあ教えたるわと思っても、これがないんです。困った挙げ句、自分で作ったのがこれです。作ったって鋳造したわけじゃなくて(笑)、のこぎりメーカーさんにお願いして作ってもらったんです」
次はヘビーな曲で、と3曲目、『生きている喜び』。
宮:「ちょっと失敗しましたね」
稲:「抜いたんです」
宮:「抜きすぎです。私マリアのファンなので、マリアの曲には厳しいですよ(笑)」
稲:「彼女サクラに詳しくて。『笑って笑って』を弾けばとか、膨大なセリフのとこどうするんだ(笑)。あなたが言うなら弾いてもいいと。彼女カラオケで歌っても一人では忙しすぎて無理だというのに、どうやってのこぎりで弾けと」
ここで、「サクラ以外の曲もちょっと聴いていただきたい。のこぎりの音を楽しんでいただければと、メジャーな曲を」とのことで、『ラブミーテンダーオーラリー』を。
稲:「チラシの方にも書かせていただいたんですけど、のこぎり演奏家という肩書きの他に、ケロミン演奏家というのがありまして、せっかくだからケロミンも弾かせていただこうかと。貴重ですね。世界初じゃないですか。サクラをのこぎりで弾いたのも世界初ですよ(笑)」ここでケロミン登場。カエルのぬいぐるみが登場してびっくり!背中に手を入れて、口の開け閉めの角度で音程を変え、腕のボタンで音を出します。

稲:「もともとぬいぐるみ持ってはる人の曲がいいかと」とアイリスの『エチュード』。
この音が電子音で変えられて、ももも〜とした音からケロケロケロケロ、という音まで。滅茶苦茶笑いました!音域や音の種類もいろいろ変えられるそうで、ももも〜という音も、音程の間のあるものないもの、ケロケロもかわいい音から低い音まで。
稲:「ケロ吉と言います。みんな名前つけるんですよね。友達が作った楽器で、興味ある方は買っていただけるといいんですが、お値段はやさしくないです。可愛い顔して。あの子わりとやるもんだねと(笑)(若い人は知らないよ;;)。のこぎり四本分です」ちなみにお値段はずばり?の声に「495です」てひえー!「日本に500くらいいる。全部シリアルが入ってるんです。舌の下に」と見せてくれたのが82の数字。「ちなみにカエルはオスしか鳴かないという事実を知ってる人。昔『カエルの歌』というミュージカルを作りまして、人間に飼われてたせいでいじめられる歌のうまいカエルの女の子という話だったんですけど、その子が「ショウコ」という名前だったので、これの名前にしよかと思ったら、これ作った人が“カエルはオスしか鳴きません(きっぱり)”。むっちゃショックでした(笑)」
次の曲は宮川さんものこぎりを持ちます。
宮:「のこぎり歴は6年に入りました。でも忘れてください(笑)」
稲:「どれだけのこぎりが奥が深いかということで」とフォロー。「せっかくだからハモる曲、『愛ゆえに』を。問題はハモるかどうかです(笑)。ちなみにこの人誰のファンでしたでしょうか。そっちのパートを弾きます」ちゃんとセリフパートもばっちり顔を見合わせながら。
稲:「ギャップが面白いかな(笑)」
宮:「マリアさんがすごい歌下手でしたねごめんなさい。第一部はここで終了です」とここで30分休憩。

休憩中も稲川さんは客席を気さくに回ってお話ししてくださり、のこぎりと弓を回して触らせてくださいました。手を怪我したりしないのかな、と見てみると、歯が厚いので持っただけで怪我するようなものではなかったです。弓はバイオリンの4分の1という弓で、4分の1の長さじゃなくて、バイオリンてのは英才教育で子供のころからどんどん大きくしていく楽器で、子供用の弓なんだそうです。チェロだと毛が太いんだそうで。柄の部分はカーボンで、湿度や温度でテンションが変わらないそうです。毛は馬のしっぽの毛で、バイオリンは弾いてるときしか鳴らないけど、のこぎりは弓を離しても震えてる間は鳴って、触ると止まるという特性のある楽器だそうです。

稲:「今まだサクラを応援してくれてるお客様はあたたかい方が多くてうれしいです」と第2部開始。
1曲目は『御旗のもとに』。
稲:「日高さんも間違えたという(笑)」
そして、巴里つながりということで『オーシャンゼリゼ』を。
そして紐育は『Kiss me sweet』!思わずしみじみします。
宮:「好きなキャラは?」
稲:「帝都はすみれ、巴里はグリシーヌ、紐育は昴」
宮:「釣り目なんですね!」
ここで客席に好きなキャラ挙手アンケ。帝都はマリア率が高く、巴里はロベだったかな?紐育は圧勝で昴さんでした。
稲:「ここで一曲ケロミンで。ケロミンを発明しちゃいそうな人の曲を。誰だかわかりますよね?発明しそうですよね!」と『少年レッド』。ちなみに、ケロ吉くんの赤いマフラーはデフォではなく、この曲用に巻いてるんだそうです。細かい!
ケロミンは関東の人が作ったので、演奏家は関東に多く関西は少ないそうです。ケロミン演奏家は「里親」と言うんだそうで、稲山さんは関西里親の会の会長で、関西テレビの番組で木村カエラさんにケロミンを教えたこともあるそうです。
稲:「ケロミン頑張ったなお疲れさん。これはプロトタイプなんで、今売ってるのとは少し違います」とケロミン退場して、次の曲は『素晴らしき舞台』。そして「帝都で好きだと言った人の曲を」と『悩ましマンボ』。「のこぎりはマンボ!と言えないので、合いの手を入れてください(笑)」なんか一体感が生まれました^^;;
時間も押してきたところでオリジナルの曲を。『メルティサンセット』という曲で、ギターの伴奏に合わせて、しんみり郷愁を誘う曲でした。
稲:「なんでこの企画をしたかと聞かれるんですが、サクラを忘れないために、自分ができることの方法の一つかと思います。これからもサクラに関わっていきたいと思います。またイベント減ってきたら盛り上げる事やってみようかと思うので、その時は参加してください」
最後は『ゲキテイ改』。当然みんなスタンディングです。踊りました!

最初、のこぎりで演奏??みたいなかんじで行ったんですけど、のこぎりは思ったよりずっと表現力豊かで叙情的な楽器(?)でした^^!ケロミンも楽しかった!(ケロミンは終了後に触らせていただきました。かわいいので、音源を取ってぬいぐるみだけにして値段を下げたものも売ってるそうです)関西弁の軽快なトークも笑いがいっぱいで、何より、サクラが好き、という気持ちがとってもいっぱいで、あったかくて幸せな気持ちになれるステージでした。


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