行ってきました松谷彼哉2ndCD「雪に咲く繻子の花」発売記念コンサート&朗読劇「雪に咲く繻子の花」物語。松谷さん、菅沼さんメインのレポになります。場所はレビュウショウ1でなつかしい新宿文化センターの小ホール。毎度書き殴りメモなので、ミスがあったらお許し下さい。



前半は朗読劇です。渡辺慎平さんが前説やってると、女性が二人「遅れる〜!」と客席後方から走ってきます。幕があがるとそこは真っ白な舞台。白いピアノ、白い布、木の枝、花。劇団のみなさんが「今日はゲストさん多いからね〜」と座布団を並べながら準備をしているという設定。平本未來さんが「きのう僕がやった役を菅沼さんがやるんですよね。緊張するなあ、どうやるのか気になるじゃないですか」、女性が「彼哉さん、また髪濡れたまま来るのかしら。いつも濡れてますよね!ドライヤーでかわかさないんですよ!冬でも雫をぽたぽた垂らしながら…」と言ってると、松谷さん登場。みんなが「彼哉さん、髪乾いてる!」「あたりまえじゃないの!」「昨日は髪をとかしてもいなかったじゃないですか」と平本さんが言うと、「ミキティ!役をおろすよ!」と女王様のように言う松谷さん。
ここでゲストが登場。石川英郎さん、置鮎龍太郎さん、森田成一さん、菅沼さん。「劇団・彼哉さんと愉快な仲間たちへようこそ!」と手を広げて並んで迎えられ、「ぼくら…青二………菅沼行け!」と押し出される菅沼さん。
「え、え、(マイクに向かって)…ありがとうございます(にっこり)」みなさんずっこけて客席笑い。「森田さん行け!」と森田さんを押し出す菅沼さん。以下、
森:「おはようございます」
置:「よろしくお願いします」
長身の石川さんはマイクを下げて、マイクちっちゃい!2m!と声援(?)をうけつつ「よろしくお願いします」
「これから読み合わせを行います」と台本を持って朗読劇の開始です。
まずは松谷さんがナレーション。雪深い国の、織物問屋のサキという娘の物語です。少女時代のサキ(染谷麻衣さん)の家の離れに、ユウタという機織りの息子が引き取られてくるのが菅沼さんです。控えめに一礼をして登場。
菅:「サキお嬢様、もし何か役に立つことがありましたら、何でもおっしゃってくださいね」
染:「この繭で着物は作れる?」
菅:「ゆがいてから糸を取り出します」
染:「でもそれじゃあ蚕が死んじゃうわ」
菅:「そうしないと糸は取り出せませんよ。ほら、こんなに固まっているもの」
染:「じゃあ、いっしょに蚕を育ててくれる?」
菅:「寒い土地で蚕を育てるのは難しいかも知れませんよ」
ここでお父さん役の石川さんが退場。
石:「ユウタ、頼んだぞ」
菅:「はい、だんな様」
蚕が羽化した後の繭から糸はとれないのかというサキに、
菅:「取れないことはありませんが、繭の先に穴が空いてしまうので、長い糸が取れないんです。糸を取るのに時間がかかるし、変色してしまうかも」
染:「いつか、二人で育てた蚕から着物を作って。約束よ」
ナレーションの松谷さんが、羽化してしまった繭の糸を、ユウタが何年もの月日をかけて少しずつ紡いだ話を。
やがてサキが成長し、呉服屋の金田という家から嫁に望まれてるものの、お父さんは嫁にやらずにユウタを婿にして家を継がせようとしています。でもお母さんは大反対。成長したサキの役を松谷さん、成長したユウタを置鮎さんが演じます。
松:「ユウさん!」
置:「サキお嬢様」
松:「サキお嬢様はやめて!」
置:「お嬢様はお嬢様です」
松:「ユウさんは頑固なんだから。秋が終わると冬が来るのね…寂しいわ。蚕が死んでしまうわ」
サキは嫁入り話が出ていることを告げて嘆きます。
松:「知らない人の所へ道具のようにお嫁に行って…そんなのはいや。私はこの家が好きだし、お父様やお母様が好きだし、それに…それに…」
置:「お嬢様、見せたいものが…抜け殻の繭から紡いだ糸です。昔約束しましたよね。あなたがそれを着て幸せそうに笑う姿を見るのがぼくの夢です。蚕は命を失っても美しい糸を残した。幸せだとは思いませんか。その反物を沢山の人に売ってあげるのがお嬢様のするべき事なんじゃないでしょうか…」
ここで、「雪に咲く繻子の花 ぼくだけを信じて 何度生まれ来ようとも この愛は枯れることはない」と書いたユウタの歌が見つかります。そしてごほごほいやな咳をするユウタ。後ろで「火事だー!」の叫び声。
火事で倉が燃えてしまって財産を失った家に、金田の父子が説得に来ます。息子のセイジ(森田さん)は真剣にサキが好きな様子。
松:「ユウさん!私をつれて逃げて!お嫁に行かされてしまう!ユウさんは私のことが嫌い?あの歌は私と二人で生きていこうって歌なんでしょ?」
置:「あれは織物に対する私の心を綴った歌です。約束だったから。好きだからじゃない。いえ、お嬢様は好きだけど、結婚したいとかじゃない」
松:「そう…。私の勝手な思い違いだったのね。繻子の花は二人で咲かせるものなんだと思ってた!」
ユウタは二人で育てた蚕の繭から取った糸で花嫁衣装を折らせてくださいとお父さんに頼みます。
松:「(ナレーション)ユウタは来る日も来る日も寝る時間も惜しんで織り続けた」
心配する妹に、
置:「人は皆いずれ死ぬものだけど、自分がこの世に存在したことを残せる唯一の方法が、美しい反物を織るということなんだ。生きた証を残したい、もう時間がないんだ」
と血を吐きながら織り続けます。
やがて嫁入りの日。
松:「花嫁は白無垢に包まれて嫁いでいき、死んだときはその衣装に身を包んで一生を終えるのね…」
と悲しげなサキは、それがユウタが織ったものとは知らずに衣装に袖を通します。
松:「やわらかくてあったかい…この匂い、なんだかなつかしい。守られてるような感じがする」
サキはセイジの前に笑顔で現れ、
松:「ふつつかものですが、よろしくお願いします」
森:「とても素敵な繻子織りですね」
松:「え?」
そこへユウタの妹が飛び込んできて、ユウタがもう長くないこと、サキの花嫁姿をひと目見ようとどこかへ行ってしまったことを告げます。探しに行こうとして止められるサキを、セイジはサキを信じて送り出します。
やがてサキは、花嫁行列のよく見える木の下で、雪を血に染めて倒れているユウタを見つけます。
置:「サキお嬢様…」
松:「お嬢様はやめてって言ってるでしょ!どうしてそんなに頑固なの!こんなに冷たくなって…!」
置:「僕の思ったとおりだ。サキ、雪に咲く繻子の花のように綺麗だよ。サキは沢山の人に着物を着せてあげなきゃ。生まれ変わったらお金持ちになって迎えに行くよ…」
雪に咲く繻子…を二人で口ずさみながら、ユウタは息絶えます。
松:「(ナレーション)ユウタは幸せそうにサキの腕の中で息を引き取った。祝言は半年後に延ばされ、サキはユウタの言葉を胸に、着物を売り続けた。つらい時も苦しい時も…」
最後に菅沼さんが登場。少年時代の約束のシーンが再現されます。
染:「サキ、育てた蚕の繭で織った着物が着たいな。約束よ」
菅:「はい…!」
幕。最後のシメの一言が菅沼さんです。




15分の休憩を挟んで後半のコンサート。雪の妖精みたいに真っ白い衣装で登場した松谷さんが一曲目「雪に咲く繻子の花」を歌います。伴奏はピアノ、ビオラ、バイオリン、ギターの生演奏。
松:「こんにちわ松谷彼哉です。遠い所からいらした方もいらっしゃると思います。雨の中ありがとうございました。私のコンサートはたいてい初日が雨なんですけど、今回は二日目ですね。昨日は、彼哉さんのコンサートっぽくないね、と言われたりして(笑)、雨が降ると安心するのはなぜなんでしょうね。朗読劇はいかがでしたでしょうか。(客席拍手)『雪に咲く繻子の花』の歌詞は、五年ほど前に頼まれて書いたものなんですけど、私も歌ってみたいなと思いまして。歌詞を書いてた時に、頭の中にいろいろ物語が出来てきて、それを形に出来ないかと。織物の話や生まれ変わりの話や、真っ白い世界を想像して。この衣装は、既製のウエディングドレスに自分でいろいろつけて、雪っぽいやわらかいかんじにしたくて。このへんは(ウエスト部分)マフラーとかついてるんです。コサージュも頑張って作って、メイクさんに褒められて。アルバムの中に男の子の衣装で胸にコサージュをつけてるんですけど、通信販売もしてるんで、いいなと思ったら買ってください」


ここでゲスト登場。
松:「今日はこの曲を聴きたくていらした方も多いと思います」とずばり。菅沼さんが「助けてくれ〜〜!」と女装で客席の後ろから駆け込んできます。追いかける女性陣。そして『タブー』。菅沼さんは襟ぐりがめっちゃ開いててどきどきでした!ちなみに振り付けは田村連さんです。歌い終わって、「ピンクのリップが似合うわ!」と追いかけられ、また「助けて〜!」と退場。
松:「あの後どうなっちゃうんでしょう。かわいかったですね!洋服見て女の子と勘違いしちゃうっていうか、楽屋でもみんなに可愛がられてました(笑)」
そして三曲目。
松:「せっかく舞台が雪景色なんで、雪にちなんだ歌を歌いたいと思います」と『冬が来る前に』。サビの部分は森田さんが入ります。
四曲目は森田さんのソロで、「今年最初の雪の花を二人寄り添って眺めているこの時に幸せがあふれ出す…」という歌でした。
次は石川さんのソロ。「粉雪心まで白く染められたら、二人の孤独を分け合うことが出来たのかい」という歌でした。再登場した松谷さんに
石:「その格好で暗がりから出てくると若干引くね!(笑)つーか(自分は)白い服持ってないし!そんな膨張色を着ますか!」
松:「いつまでも素敵ですよね!」
石:「ありがとうございます!こんなに白に囲まれるとかなりこっぱずかしいですよね。(客席も白いので)一心同体でありがとうございます。ちょっと落ち着きます。みなさん白着て平気ですか?(笑)」
ここでお二人の出会いの話を。なんでも仕事で一緒になったのはずっと後だそうで、ネットの掲示板で知り合ったそうです。最初は顔もわからずアイコンしかわからない、ドレッドヘアでムキムキのアイコンの石川さんに、松谷さんはお姫様みたいなアイコンで、オフ会で初めて会ったそうです。
石:「オフ会ですよ!普通声優はやりませんよね!(笑)」
松:「もう一人ネット仲間が」
石:「うちのリーダーです!」と置鮎さん登場。
オフ会でつけたハンドルが、それぞれ漢字1文字で、松谷さんが「暁」、置鮎さんが「塊」、石川さんが「○」だったそうで、ここで松谷さんが「メルアドも○なんですよね」とゆっちゃったので大騒ぎに。
石:「公共の面前でメルアドを公開された!」
置:「個人情報だよ!」
ここで当時三人で歌った歌の中から一曲ということで
置:「石川さんが先頭に立ってぐいぐい引っ張ってくれて」
石:「みんな何もしてくれないんだもん!(笑)」
掲示板の名前から「tcups」というユニットで、松谷さんを真ん中に『ワンダーライフ』という歌を。客席も手拍子の楽しい曲でした。
松:「またみんなで歌う機会があればいいなと思います」
石:「その時はぼくのメルアド公開しないでくださいね!(笑)みなさん記憶消去してください!」
ここで劇団昴のメンバー紹介。
松:「次は昭和な歌を歌ってみたいと思います。わくわくして前向きに生きていける歌なので歌ってみたいなーと思いました」と『いつでも夢を』。サビの部分をまた森田さんと。
森:「(今日の前半の松谷さんは)スザンヌに似てますね!」
松:「そう言われてすんごいよろこんじゃって。スザンヌ好きなんです。癒されるの!似た匂いを感じるっていうか(笑)」
森:「スザンヌに自分のメルアド言ったらいいよ(笑)」
最後の曲です。
松:「お父さんとお母さんのために作ろうと思って書き始めた曲です。私は北海道出身だし、北海道限定のものがないかと思って、春だけ咲くふきのとうがあって、春はかわいい感じなんですけど、その後は葉っぱになっちゃって、春に芽吹く花っていうのはすごく力が強いなって。上京してきた時の私の気持ちに似てるなと思ってこの歌を作ってみました。それでは聞いてください。『ふきのとうのように』」
「おかあさん たおやかな笑顔でつつんでくれたね いつでも変わらぬ愛情で お父さん やわらかな強さで守ってくれたね いつでも命をかけて」というあたたかい歌でした。


そしてアンコール。濃いピンクのドレスで再登場した松谷さん。『ある日青空を見上げて』をアコースティックバージョンで。
「この歌はサクラ大戦のダイアナ・カプリスをやらせていただいた時の歌です。ダイアナさんという人は、ネガティブなとこから始まって、車椅子に乗ってるんですけど、周りの人に励まされて、車椅子から立ち上がるんです。前向きなダイアナさんの歌を歌いたいと思って、アルバムの3曲目に入れてみました。アコースティックにしっとりと歌ってみたくて『ゴールデンウェイ』を編曲した方(伴奏のギタリストさん)にお願いしました」とここで伴奏者の紹介。
松:「このあいだのショウで、好きな曲が何曲もあったんですけど、繻子の花の編曲を頼むきっかけにもなった大好きな曲なんですけど」と『五つのレシピ』。「耳に残る〜」からの歌い出しです。菅沼さんが再登場して新次郎パートを歌います。
松:「菅沼さんをお招きしたのは『タブー』が歌いたいから!勿論女装もやってください!」
菅:「ぼくはレビュウショウでプチミントやってたので、意外に抵抗がなくて、いろいろ着てみて最終的にあの形になったんですけど、あのドレスの胸にパッドを入れられまして、巨乳になったんですけど、妙に生っぽくなっちゃって。女装はしても女になる気はないので、それだけはやめてくださいって言ったんです(笑)。ここはぼくたちがレビュウショウ1をやらせていただいたところで、楽屋に入るときとかなつかしかったです。思い出に残る場所でもう一度彼哉さんとサクラの歌を歌えてよかった」
松:「そのためにここを選んだんです。初めてで、すっごいみんな緊張してて、最後はみんな泣いて」
菅:「ぼくが一番泣きましたよね(笑)。またやりたいですよね!(客席拍手)ぼくたちもやりたいので!セガさんにどんどん送ってください」
ここで出演者の全員紹介。一言の挨拶で石川さんがメアドを忘れてくださいとゆったので笑いました。最後に全員で繻子の花を歌って幕。


セットも衣装も真っ白な世界での豪華な朗読劇とコンサートでした。何より菅沼さんの女装にどんなサービス!大受けです!そして五つのレシピを聞けるとは…気がついたら涙が流れてました。サクラの曲を久々に生で聴けて、とっても幸せなコンサートでした!


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